※2020年4月16日更新
こんにちはミヅキです
『内資製薬を重点領域・パイプラインで比べる』
第三弾です
今回は
大塚製薬と
についてまとめていきます
これまでに
について、
自分なりの視点で、
情報を集めて、
まとめてきました。
というか、
就活中にノートにまとめてた物に
最近の情報を追加してアップしてます。
例のごとく、
詳しくまとめられている方も、
たっくさんいるので、
僕の記事は自分の感想増し増しです。
※本記事は、製薬会社の研究職を志望する博士学生の視点で、重点領域なり、パイプラインなりをまとめたものにます。
それではいきましょう!
目次
1.大塚製薬
製薬大手各社、関東や大阪に研究所を構える中、
徳島にメインの研究所を構えており、
学生集める気あるのか??
という立地になってます。
まあ、本当に行きたい会社であれば、
そこまで気にしないのかもしれませんが、
エビリファイで急成長をしていましたが、
その後の特許切れをカバーできず、一時低迷
主力製品で持ち直してきている会社です。
会社が公表している
重点領域としては、
- 中枢神経
- がん
- 循環器・腎
- その他(結核・眼科等)
となっています。
大塚製薬のイメージというと、
抗精神薬で、
がんとか、
循環器とかは
あまりイメージにないのですが
(がんは大鵬薬品ではないのか??)
なんかそこそこありました。
・中枢神経領域
まず中枢神経領域に関して、
主要製品を調べてみますと、
等々、
たくさん出てきました。
さすがです。
エビリファイなんて、
低分子で特許が切れてるにも関わらず、
剤形の変化で売り上げを一定量維持しており、
製剤研究の方々が非常に強いのが、
チラチラと感じられます。
あと、抗精神薬領域では、
業界を常にリードしてきたような話が紹介されてまして、
- Dopamine system stabilizer(DSS)
- Serotonin Dopamine activity modulatorr(SDAM)
といった
作用機序の医薬品を他者に先んじて、
承認まで漕ぎ着けているようです。
この領域でポイントとなる創薬標的の、
D2R、5HT2aR、SERTなど、
この辺りの標的に関しては、
研究が内部で相当進んでいるもの
と考えられます。
その研究成果を生かして
パーキンソン病などの疾患にも、
適応する医薬品をサルベージ
してきているあたり、
やっぱ現場の人間すごいなあ、、
って感じです。
しかも
パイプラインを見ると、
有望そうなものがずらりです。
特にレキサルティの適応拡大が、
現在でも6-7個並んで進んでます。
市場規模的にいうと、
アジテーションや偏頭痛が期待大でしょうか
www.otsuka.co.jp 大塚製薬HPより
個人的にポイントとして挙げたいのが、
OPC-64005、AVO-786、EB-1020
の3品で、
- norepinephrine、
- dopamine、
- serotonin
といった神経伝達物質の
再取り込みを阻害している候補品になります。
つまり輸送体に対して作用する薬剤です。
これまでの、
D2Rであったり5HT2aRだったり、
受容体に対して作用する薬剤で培った
ノウハウなり、技術知識なりが、
しっかり活かせるアプローチです。
いやあ、無駄がない。
・がん領域
がん領域に関してですが、
主要製品としては、
となっており、
一応あって、
んん???ってなったんですけど、
どれも自社創生ではなく導入品でした。
ちょっと詳しく分からなかったんですけど、
エーザイの関連会社??から買ってるっぽいです。
パイプラインを見ても
- SGI-110
- ASTX727
は、その時一緒に買い取ったやつで、
自社創生の物はないのかな??
って思ったのですが、
自社創出で経口の抗がん剤も存在しており、
色々と謎です。
抗がん剤のアプローチとしては
みんな導入品or子会社の創出ですけど、
かなり多岐に渡ってます。
大きいところはどこも、
腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子治療が
入ってきてますね。
ただ、この会社の研究職になって
抗がん剤の研究ができるかといったら不明ですね
・循環器・腎領域、その他
循環器・腎領域に関しては完全に
- サムスカ/ジンアーク
ですね。
V2Rの拮抗薬で、
腎症の治療薬です。
これに関しては、
完全に中枢領域研究の副産物でしょう
パイプラインを見ると
- サムスカの適応拡大
- V2R標的の別薬
- HIF阻害薬
が存在しており、
サムスカが成功したけど、
今後さらに力を入れて云々ってのは
無さそうです。
大塚製薬で総括すると、
中枢神経関係でなおかつ、
これまでの強みを活かせる疾患に対して、
低分子で攻めていってますね。
神経伝達物質の受容体、輸送体、
5HT2aR、D2R、V2R、µOR、CGRPR、SERT、DAT、
この辺りのタンパク質群に対して、
自社創薬、
他の領域やバイオ医薬品は、
適宜業界の様子を見ながらって感じを受けました。
2.大日本住友製薬
大日本製薬と、
住友化学の子会社が合併してできた
財閥系の製薬会社ですね。
この会社は何よりラツーダでしょうね。
この会社が公表している重点領域は
- 精神神経領域
- がん領域
- 再生・細胞医薬
の3つと、
他がチラホラになっています。
・精神神経領域
この領域の主要製品としては、
あたりでしょうか。
標的分子としては
D2R、5HT2aR、5HT7R、SERT、Cav、Nav
あたりが確認できました。
いわゆる中枢研究のターゲットですよね。
特徴としては、
一剤で複数の分子に作用する、
マルチターゲットの医薬品が多いです。
中枢神経系というのは、
それぞれのシグナル伝達系が、
複雑に絡み合って出来ているので、
こういうよく分からない機序の医薬品が
臨床成績的には良いものが出てくるんですかね。
パイプラインを見ると
- ラツーダの適応拡大
- その他主要製品の適応拡大
といった感じに加えて
アーリーフェイズに色んな候補品があり、
この領域はどうにか維持しよう。
という気概が感じられる
パイプラインに見えました。
www.ds-pharma.co.jp HPより
バイオ医薬品とかは皆無で、
引き続き低分子医薬品で頑張るようです。
・がん領域
この領域に主要な製品はないです
(ちゃんと調べてないけど多分)
同業他社と同じく、
成長著しいがん領域への参入を
目論んでここ数年色々やっていた
らしいですが、
どうやらまだまだ芽は出ていない模様
パイプラインを見ると、
と色々と存在しており、
標的分子や、アプローチとしても、
- STAT3
- NADH抗酸化酵素
- CDK9
- TLR-7
- ALK受容体
- ACVR-1
- β-catenin(ここにもいた)
がんワクチン、細胞治療といったものが、
存在はしており、バラエティは豊か。
メジャーな標的から新規の標的まで、
抑えてる感じがします。
あとは、開発次第なので、
これが、続々と上市されてきたら、
ラツーダの特許切れで死んだ後も、
早々に復活できそうです。
・その他諸々の領域
まず、再生医療や細胞治療に関してですが、
まだまだ収益貢献はしておらず、
2023以降を目処に収益化を図ると、
大日本住友のHPでは発表がされています。
ただ、研究は進んでおり、
それらの医薬品の生産インフラ(SMaRT)
も、着々と整っているようです。
パイプラインを確認すると、
- RVT-802(小児先天性無胸腺症)
これは既に米国で申請がされており、
FDAに一回却下されているようですが、
再申請準備中となっています。
他にも、
に対して
iPS細胞由来の、
神経細胞だったり上皮細胞の
臨床研究準備が進んでいます。
さて、どうなるでしょうかね。
あと一点、その他の領域で
とても気になったのが、
糖尿病領域です。
既に上市されているものが
- トルリシティ(GLP1R作動薬)
- エクア(DPP-4阻害)
- エクメット(DPP-4阻害)
- シュアポスト(SU薬)
- メトグルコ(ビグアナイド系薬)
となっており、
開発品にも
Imegliminといった新規機序の薬剤
が入ってきています。
豊富なラインナップ
ですよね。
自社創出もあれば、
導入品もあり、
この分野で天下を取ってやろう感が
ひしひしと感じられます。
以上、
今回は
大塚製薬と
大日本住友製薬について、
研究職を志望する就活生の視点で、
色々とまとめました。
会社によって、方向性なり、注力の仕方なり、
色々と違うと思うので、
もし、志望会社に迷っている人の参考になれば幸いです。
それでは
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