地方大理系博士のブログ

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【第一三共・エーザイ】内資製薬を重点領域・パイプラインで比べる

【第一三共・エーザイ】内資製薬を重点領域・パイプラインで比べる

※2020年4月16日更新


こんばんわミヅキです。

 

 

『内資製薬を重点領域・パイプラインで比べる』

第二弾です

 

今回は第一三共エーザイについてです 

 

前回は

武田薬品工業

アステラス製薬に関して、

独断と偏見を持って情報を眺めていました

 

 ↓前回の

www.mizuki-pharma.com

 

 

今回も国内大手の

第一三共

エーザイに関して

世に公開されている範囲で、

情報を集めて、僕視点による感想を述べていきたいと思います。

 

例のごとく、 

詳しく解説している方も沢山おられるので、

僕は情報量というよりも、

自分が思ったことなり、感想なりを、

ツラツラと綴っていこうと思います

 

※本記事は、製薬会社の研究職を志望する博士学生の視点で、重点領域なり、パイプラインなりをまとめたものになります。 

 

それではいきましょう!

 

目次

 

 

 

1.第一三共株式会社

 

まずは国内市場の売り上げトップ第一三共に関してです。

裏返せば、海外での売り上げがイマイチな第一三共に関してです。

AZとのエンハーツにおける業務提携で解消されると良いですね。

 

第一三共の掲げている重点領域は

 

  • オンコロ

まずこれが1番のメインにしたいようです。

 

そこに並べて次世代の重点領域として

  • 疼痛
  • 中枢神経
  • 心不全・腎
  • 希少疾患
  • 免疫

 

となっていました。

多いな、、、ってのが1番の感想です。

ロシュ、ファイザー、ノバルティス。

海外のトップファーマ並みに、

色々と掲げています。

 

・がん領域 

 

調べてみますと

がん領域での主力製品は、

 

これまでほぼなし

 

第一製薬と三共との合併から、

全くと言っていいほど成長できなかった

第一三共ですが、オンコロへの参入によって、

それをどうにかしようとしているようです。

 

第一三共のオンコロ領域への進出は、

 

エンハーツを初めとした

ADC医薬品群

 

これが成功するかどうかにつきますね。

 

パイプラインを見てみると

がん領域で10品目以上あります。

ADCを初めとして有望そうなものが多いので、

今後は指数関数的にがん治療薬が第一三共から出てきそうです。

 

www.daiichisankyo.co.jp :第一三共HPより

 

 

ADCで

抗体の標的となっている分子は

 

  • HER2
  • HER3
  • TROP2
  • B7-H3

 

特に抗HER2抗体である

トラスツズマブは

細胞殺傷作用の強いデルクステカンとのADCとして、

全世界でのピークセールス5000億円が試算されているものです。

(↑これがエンハーツ)

 

 

これらのADC群で基本的には乳がんを狙い、

今後適応拡大で胃がんや肺がん等を狙っているようです。

 

他にも多様なアプローチでの抗がん剤が開発されており、

 

  • ギザルニチブ(FLT3阻害)
  • ミラデメタン(MDM2阻害)
  • バレメトスタット(EZH1/2阻害)
  • アキシカブタジン シロルーセル(CD19抗体のCAR-T)
  • ペキシダルチニブ(マルチキナーゼ阻害)
  •  腫瘍溶解性ウイルスなどなど、、、

 

武田やアステラスでも多いなと思ったのですが、

第一三共はもっと多いです。

力を入れている感じがします。

 

上述の通り、

かなりパイプラインが充実しているので、

これらが順調に承認されていけば、

確実にオンコロの会社としてプレゼンスを発揮することでしょう。

 

合併後の低空飛行からやっと飛躍しそうですね。

 

 

 ・次世代重点領域

 

 次に他の疾患領域で主要製品をみると

 

  • リクシアナ等の製品群(血液)
  •  ネキシウム等の製品群(消化管)
  • メマリー等の製品群(中枢)
  • プラリア(骨代謝
  • オルメテック(血圧)

 

あとは抗生物質とかワクチンとか色々とあります。

 

それぞれ

オンコロ以外のパイプラインを見てみると

確かに第一三共が掲げているように

 

  • エドキサバン(心房細動)
  • プラスグレル(血管障害)
  • エサキセレノン(腎障害)
  • ミロガバリン(疼痛)

や、

筋ジストロフィーなどの希少疾患が並んでいます。

 

ただ、

リクシアナ、ネキシウム、メマリーあたりのプレゼンスが強いので、

この辺りに続く目玉製品が出てこないと、

オンコロ以外の領域がしぼんでいきそう感があります。

か今のパイプラインだとしぼみそうです。

 

あと個人的な感想になるのですが、

 

主要製品や開発品の作用機序を見ていて、

他社と比べて、

オリジナルな作用機序

を狙っていそうな雰囲気を感じました。

 

もう少し具体的に話すと、

創薬標的の大半を占めるとされている

イオンチャネルやGPCRといったタンパクが、

あんまり利用されていないんですよね。

 

もちろん一定数ありますが、

他の競合大手を比較すると

明らかに割合として少ないです。

 

第一三共が、

がん領域の後の次世代重点領域に掲げている、

疼痛、中枢あたりには、

もろに関わってきそうなタンパク群なので、

このあたりの研究が内部でちゃんと進んでいるのかが、

気になるところです。

 

 

 

最後に何となくまとめますと、

がん領域は今後確実に成長していきそうです。

(今はまだまだ弱そう)

 

領域に限らず、モダリティとしては、

他の大手に劣らず多様なものを扱ってました。

確認できるだけでも、核酸医薬、細胞治療、TPDとかもありました。

 

今まで手を出していなかった(あえて?)タンパク群にも

創薬の方向性が伸びていくと、

もっと成長しそうな伸び代企業に見えました。

 

少なくとも短期的にはエンハーツで劇的な成長を見せるでしょう。

 

 

 

2.エーザイ株式会社

 

次は国内4位(大塚は無視します)、

認知症治療のエーザイです。

 

エーザイが公表している重点領域としては

 

  • オンコロ
  • 神経領域

 

の2つです。

しっかりと重点領域が絞れていて潔いですね。

 

大手といえども、エーザイくらいの規模の会社で、

R&D費用が大体年間で1500億円

何でもかんでも手を出していると、

全部目が出ずにポシャったりしそうで普通に怖いです。

 

 

・がん領域

 

まずがん領域についてみてみると

 主要製品は

 

  • レンビマ
  • ハラヴェン

 

のツートップですね。

国内ではトレアキシンも上市されています。

 

まだまだ品数的には少ないですが、

それぞれ大きな売り上げを残しています

 

特にレンビマに関しては

メルクとの業務提携により、飛躍的に売り上げが伸びており、

ピークセールスが6000億円

と試算されています。

 

エンハーツといいレンビマといい、

内資製薬が優れた医薬品を創出するだけでは

ここまでの売上はおそらく見込めず、

それぞれAZやメルクといった、

メガファーマの販促力に助けられてこの数値

 

だと思います。

とんでもないですよね。

 

国内大手といえども、

世界的に見たらまだまだっていうのが、

こういう側面からでも実感できます。

 

パイプラインを見ると、

メルクのキイトルーダとの併用療法を中心に、

レンビマの適応拡大がメインになっています。

 

www.eisai.co.jp エーザイHPより

 

その中に

といった比較的新しい作用機序の候補品が入ってきています。

 

他には

E7090(FGFR1,2,3阻害)等の低分子

リポソーム製剤、ハラヴェンが搭載されているADCも、

パイプラインにありました。

それぞれあんまり市場規模は大きそうじゃないですけど。

 

 

がん領域をまとめると、

レンビマ頼み

といって差し支えない気がします。

 

適応拡大が順調に進めば、

業績は伸びるでしょうし、

認知症治療薬にもっとリソースを回せそうですね。

 

ただし、他の製薬大手と比較して、

低分子ががん治療薬の主役になっているので、

特許切れには要注意な感じです。

 

来たるべきレンビマの特許切れを、

他のパイプラインでリスクヘッジしてる風です。

 

 

・神経疾患領域

 

神経領域を見ると、

主要製品は

 

 

等が国内では一定の売上高を確保しています。

まだアリセプトが一定額売れているのが驚きでした。

 

ここに

 

  • フィコンパ(AMPA受容体阻害)
  • デエビゴ(オレキシン受容体阻害)

 

今後の神経領域を支えていく

製品と位置付けられています。

 

他の疾患領域にはあまり医薬品が見当たらず、

重点領域に掲げている通り、

特定の領域にリソースを割いているのが分かります。

 

 パイプラインを見ると

アルツハイマー病関連の候補品祭りです。

 

  • アデュカヌマブ(抗Aβ抗体)
  • BAN2401(抗Aβプロトフィブリル抗体)
  • E2814(抗タウ抗体)
  • E2511(シナプス再生剤)

などなどです。他にもあります。

 

アルツハイマー病の疾患メカニズムの、

上流から下流まで全て抑えているのがさすがですね、、

 

そしてまとめると、神経領域は、

認知症治療薬に極振りしてる感じの

パイプラインになっていますね。

 

そこにフィコンパやデエビゴの適応拡大が

ボチボチ入ってくる感じですね。

 

フィコンパやデエビゴに続く

目玉を用意している感じは

今の所感じられないです。

(僕が知らないだけかもしれませんが。)

 

 あとは明治から導入している

パーキンソン病治療薬ぐらいですかね。

 

 

主要製品なりパイプラインなりを見ていて、

思ったこととして、エーザイは、

まだまだ低分子医薬品で戦っていくようですね。

というのが、色々と調べてみた感想です。

 

 

もちろん、

パイプラインには抗体医薬品が入ってきてますが、

全社でバイオ医薬品にシフトしているというよりかは、

必要に迫られて抗体医薬品を選択したって感じを受けます。

 

低分子医薬品はバイオ医薬品と比べて、

特許切れの影響が顕著なので、

今後もコンスタントに稼ぎ頭として計算できる医薬品を創出しないとですね。

 

それでもレンビマを中心としたがん領域の順調な成長と、

認知症治療薬開発の一人勝ちが同時に達成されれば、

国内企業の売り上げで、タケダにつぐ次点の座を収めてしまいそうです。

 

 

以上、

今回は第一三共エーザイに関して、

僕の興味の範囲で調べて、

僕の知識の範囲内で感想なりを述べていきました。

 

会社によって、方向性なり、注力の仕方なり、

色々と違うと思うので、

もし、志望会社に迷っている人の参考になれば幸いです。

 

 

それでは

 

 

 

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